【2つのクラファンに挑戦中!】UWCに進学予定の女子高生が世界的視点を持ったきっかけとは?
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こんにちは。Qulii編集部の板倉です。
久々投稿のインタビュー記事。様々な分野で活躍する中高生を紹介するこのコーナー。今日のお相手は、本橋岬さんという高校生です。
元々進学していた日本の中学校を変えて、フィリピンのインターナショナルスクールに入学後、世界中の優秀な学生が集まるUWCに進むことが決まりました。いくつものクラウドファンディングを行う彼女は、どんなきっかけで世界に目を向けることになったのでしょうか?
今の自分のきっかけは?
世界への視点があったのが11歳の時です。
CISVという国際団体を通して、ブラジルのサンパウロに行ったことがきっかけでした。
1ヶ月間、世界中の同じ歳の学生と生活する国際キャンプだったのですが、それまで英語に一切触れてこなかった私にとっては、自分の未熟さや言語の壁を強烈に感じる機会となりました。
そのキャンプでは、英語以外の言語を母国語として話す子もいたんですが、言語をツールとして使わない限り、彼らと真に通じ合うことはできないと考えると同時に、肌や目の色など人種が違っても言語をツールとして使うことができれば、必ず奥深くで通じ合うことができるという人間がもともと持っているベースに気づくことができました。結果、国際人になりたい、日本人でありつつも日本に留まらず世界を渡り合えるような存在になりたいと思うようになりました。
帰国後は、中学受験をして私立の留学生を受け入れている国際系の学校に進んだものの、やはり日本の教育制度に基づいた、書くだけ、読むだけの「見せびらかす」英語であることを感じ、日本で学んでいては使える英語を学ぶことに限界があるなと思い、フィリピンに行ったという感じです。
なぜフィリピンを選んだの?
当初考えていたアメリカやカナダに比べて安い留学費用や日本からの距離が良かった点・また父の仕事の都合でよく行っていたという点から、姉と一緒にフィリピンのインターナショナルスクールをいくつか見学・検討したのちに今の学校に決めました。
ちなみに姉はもともとカナダ式の教育を取り入れた日本のインターナショナルスクールに通っていて、ネイティブの先生方はじめ素晴らしい教育だったのですが、費用の面と、日本人のために作られたカナダ教育だったので、休み時間や放課後は日本語で話すなど、英語学習のスピードに遅れが生じることを感じていました。日本人のレベルに合わせるのではなく、世界レベルの学びを受けたい、そうすることで世界への視野を身に付けることができると考えて、フィリピンに行くことを決めました。
現地ではどんな学校生活を送っていたの?
クラスはディスカッションベースで行われていました。日本の教育は、こう言ってはなんですが、先生が一方通行で教えるという教育が従来行われていました。
向こうにいって学んだのが、パソコンを取り入れたディスカッションベースの教育で、生徒一人一人の意見が毎回聞かれるんですね。
例えば歴史の授業でも、日本軍が過去にしたことををただ教えてもらうだけでなく、「あなたはどう思うの?」と私自身の意見を求められるので、”思考力”と”プレゼン力”が養われました。また、パソコン型での授業なのでパワポを作ったり、プロジェクトを毎回出されて成績評価されるのでパソコンでビデオや時にはゲームを作り、クラスメイトにプレゼンするということがありました。これらは日本の教育とは中々ないかなと思います。
また、パソコンを使って学べることとして、他にプログラミングがあります。HTML&CSSや専門的な分野を中学から学ぶことができて、実際にVRやARとかを使っていたり、私自身もロボット製作で大会に出たり、そういった経験を得ることができたことは非常に価値あるものでした。
生活面で、私が特に魅力的に感じていたのが、フィリピン自体の人々の暖かさだったんですよ。なんていうか、違いを受け入れることができる体勢が整っているという感じです。例えば、LGBTQ+の方々も実際にオープンに語っていて、聞く人も「あーそうなのね」って軽く流す雰囲気がありました。こういった違いを認めることができるダイバーシティの考え方には大いに助けられました。
日本では「空気を読む」という言葉に代表されるように、出る杭を打つような雰囲気がありますが、アメリカ文化の影響を受けているフィリピンとは違うなと思いました。
あ、一応、今回お話しているのは、あくまで私の通っていた学校の話で、フィリピンは貧富の格差が激しく、現地の貧しい家庭の子は教育を受けることすらできない、そういった実情もあります。私自身もそれを解決したくて以前クラウドファンディングをやっていましたが、とにかく、フィリピンの教育全てがこれまで述べたようになっているわけではないってことだけ補足しておきますね。
どんな成長があったと感じる?
以前持っていなかった視野を持つことができたところですかね。日本で学ぶ学生の多くは、敷かれたレールの上にいるだけで、「なぜ学ぶのか?」ということをわかっていなかったり、いい大学や就職先にいくことが目標になっていて、じゃあ大学を卒業した後はどうなるか?といった問いがあって、それは結局世間が考える教育や経歴を追求しているだけではないかと思っています。
私は留学先としてアメリカやカナダに行ったわけでも、一般の教育を受けたわけでもない”マイノリティー”を選んだんですが、だからこそ常識を疑うことができて、「私自身がやりたいことはなんだろう」ということを追求することができたというのは、一番得たことかもしれません。
それに加えて、フィリピンで、貧富の格差を実際に感じました。私が通っていた学校は、お金持ちに分類されるところでしたが、すぐ隣を見ると貧しい子供たちがわんさかいまして。スラム街ではごみ山に住んで、レストランのゴミとして出されたチキンの骨をしゃぶることでやっと食べ物にありつける子供の姿を見てきました。教育に関しても同様に、貧富の差をなんとかしたいと強く思いました。
UWCとは?
UWC(ユナイテッド・ワールド・カレッジ、本部:ロンドン)は、世界各国から選抜された高校生を受入れ、教育を通じて国際感覚豊かな人材を養成することを目的とする国際的な教育機関。
現在までに、イギリス、カナダ、シンガポール、イタリア、アメリカ、香港をはじめとする世界18か国にカレッジ(高校)が開校されています。その中から私は戦争そして平和が生まれる場所に最も近い『アルメニア』を二年留学の場に選びました。
日本人大使として世界へ飛び立ちます!
なぜUWCに決めたのか?
私自身が多なってきた活動は大きく2つに分けられます。
一つが、発展途上国のボランティア支援。もう1つが日本の教育を世界的な視野と、若者の目線から変えていくということです。
これらを通して行ってきたことが、「国と国との架け橋になる」ということでした。私自身が留学エージェントやボランティア活動を通してやってきたことが、国を代表して日本とフィリピンを繋ぐということだったんですが、とはいえ架け橋になると言っても、私が繋げられることができたのが、日本とフィリピンだけだったんですよね。私は2国に留まらずあらゆる国を知りたい、そう思った時に自分のルーツとなっているのが、冒頭で話した世界中から集まった若者とお互いに影響し合えた環境に魅力を感じていたことに気がつきました。15歳の時にフィリピンで同じようなキャンプを行って、同じ15歳の子と語り合ったんですが、1ヶ月という短期ではなく、もっと長い期間で影響を与え合い続けたい、という点でUWCの2年間という期間はとても魅力的に感じました。
加えて、勉学の部分でも、私の学校はIB(インターナショナルバカロレア教育)が整えられているんですが、アメリカの大学にいける資格があり、未来まで想像できるというところが確証されている点でフィリピンの学校を選んでいました。加えて、IB+世界との繋がりが確証されているので、UWCはとても魅力的に映りました。
なぜアルメニアに?
私が受かった時に、ノルウェーやアメリカ、香港など18校の選択肢があったのですが、世界を知るために、行った事のない国に行きたかったということと、他国へのアクセスを考えた時に、アルメニアはヨーロッパとアラブにつながる中間にあったことです。加えて、留学先として考えた時、アメリカやカナダなどの王道の国よりも、フィリピン留学というマイナーな道を選んできた私にとっては、ブランディングのない国よりも私の強みを活かせるのではないかと考えていました。アルメニアという、聞いた人が「ん?」となるような国に行くことで、私が私自身の個性を追求できるんじゃないかと思いました。
また、アルメニアという立地が紛争地域に近く、平和を築くことが大前提になります。平和を築くというのは紛争地域から生まれると思うので、その地域により近い場所で生活したいと思っています。
またアルメニアは「ノアの方舟」と呼ばれるように、国家宗教としてカトリックを取り入れることを宣言した最初の国として、宗教的勉強にも興味がある点で惹かれました。
アメリカの黒人史にも興味があるのですが、アルメニアにはその道の教授がいらっしゃって、その教授の元で大学のように学ぶことができるというのは、今だからこそできることかなと思っています。
クラウドファンディングに関して
私自身が日本の教育を受けてこなかったので、日本人として政府から援助を受けられないという点が大きくあります。国連などの機関が絡んでいる学校であったとしても政府から支援を受けられないのは、日本人の学生と見られていないんじゃないかと悔しい思いをしました。もう1つ、今まで私はフィリピンに留学してきて多少なりとも親に負担をかけてしまっているところで、学費という変えられないものを今回支援としてお願いする形によって、親から経済的に独立・自由になるため、クラファンという形をとることになりました。
グローバルな奨学金という話も、私自身がフィリピンのパスポートを持っていないので、フィリピンという発展途上国での奨学金というのは学校から給付型、または政府から本当に貧しい方への給付が多いため、フィリピンいう選択肢が除外されました。
今回のアルメニアでの奨学金も探すことが難しいという現実がありました。
そして日本で奨学金を探していた時に私に出された選択肢が二つあって、それがユニクロかソフトバンクでした。
ユニクロは大学生向けで、アメリカのトップ100くらいに入った学生に与えられるもので、今回高校に留学する私には与えられない選択肢でした。ソフトバンクには、孫正義財団がありますが、ソフトバンクに利益のある研究をされている方のみに与えられるもので、今回はお断りされてしまいました。
また、国籍などに関係ない奨学金という点でもUWCは魅力的でした。UWC自体が大きな財団と関わりがあって、今回UWCとして登録されてアメリカの大学に受かると、UWC卒業生が運営する財団から支援いただいて、大学進学するときに奨学金をいただけるんです。高校進学時は受け取れなかったと思いますが…。
また、世界的機関が関与している財団は、教育を十分の受けることができない学生に対して奨学金を与えることが主で、私自身は経済的に自由ではないんですけど、フィリピンのインターナショナルスクールに行くことができるくらいの資金はあるので、そういった応募資格は難しいんです。
他に方法があるとすれば、今回私自身が行なっていることの実績・ブランディングをつけることによってそういった財団が、私の留学に行く意義を理解してもらえれば奨学金を受けることは可能なのですが、世界的から財団からオファーがかかるほどの実績は残念ながら今の私にはないので、難しいなと思っています。
他のクラファンについて
実は今もう1つのクラファンをやっています。日本全国の高校生50人を集めてオンラインフリーペーパーを作ろうと思ったきっかけが、私が感じた日本と世界の教育の差や、「高校生たちが自分の声を発信することができない」という現状があり、私たち自身があうトップとを発信することが重要と感じているので、始めました。そこで必要となってくる資金が、オンラインでの活動資金となります。
今回、クラファンで行なっているのが読者さんからの支援や、協賛企業からの支援という形なんですが、その協賛企業さんには広告媒体として私たちのメディアが使われます。
クラファンを使うことによってどのように資金が作られ、使われているかが可視化できることが一番重要だと考えており、加えて、クラファンの記事を書くことによって、なぜ私たちがやっているか、どのようにしたいか、リターンまで提示することができるためクラファンを用いています。
ちなみに、今回のクラファンやメディアを通して、教育に対する視点や見方を変えたいという想いがあって、より多くの方に届けて、私たちに活動に巻き込みたいと考えています。
今後の展望
今後の展望ですが、アルメニアで国の代表として平和について学び、アメリカの大学に進学予定なんですけど、現在私は経営者になりたいと思っています。大手企業に就職することが一般には成功だと思うんですけど、私自身は、時間に縛られて社会的目線から働いていると、お金の奴隷になっているのではないかと考えていて。お金というのは幸せとすごく密接に関連しているんですけど、私は幸せになるためにお金を稼ぎたい。だからこそ私は経営者になりたいと考えています。今目をつけているのが、再生可能エネルギーを発展途上国に広めることで、そのためにアメリカで起業したいです。
世界的視野を持って、一国に留まらず世界で活躍する企業を立ち上げたいというのが将来への展望です!!
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