[イベント開催レポート]マヨラー集まれ!
読んだらあしあとをつけましょう!
1.マヨラー集まれ!って何?
こんにちは。今回、マヨラー集まれ!を開催しました中島陸です。
『マヨラー集まれ!ってどんなイベントだよ。』と思われた方、たくさんいると思います。このイベントを軽く説明をすると、マヨネーズ作って農家さんのリアルの声を聞こうぜ!っていう感じです。それでも意味分かんないですよね…(笑)
マヨネーズ作りがアイスブレイクで、農家さんに質問しながら話を聞くっていう感じで想像してもらえると分かりやすいかもです。
この謎すぎる名前のイベントを開催した思いとしては、スーパーとかで野菜を売買するっていう間接的な関係しかない農家さんと知り合える。他人から知り合いまで関係性を持って行くというところです。生産者の顔が見える野菜のアップグレードバージョンと思って頂いても良いかもしれません。
今回のイベントの農家さんトークでは面白い話、質問がたくさん出たので、まとめの意味も込めて僕のチョイスで皆さんに三つ程紹介しようと思います。
2-1.コロナで農家さんにどんな影響が出たの?
一つ目、みんなが気になっていた『コロナで農家さんに影響あるの?』っていうところです。『ニュースで農家さんに影響出てるって聞いた!』という人もいると思いますが、結論を言うと、江川さんの農園では利益に置いての影響は無かったそうです。
今回、話をしてくださった江川さんはアスパラ農家さんで、他の品目、規模の違いがあり一概には言えないところがありますので、江川さんの場合はこうだったということを理解して読んでいただけると助かります。
さて、今読んでくださっている人はなんで利益に影響が出なかったのかと不思議に思っていると思います。その理由について話す前に、江川さんの販路について説明しますね。江川さんの販路は基本的に三つあります。
一つはJA
。いわゆる農協ですね。農協さんから出荷された野菜がスーパーに並んでいる野菜の大部分を占めます。
二つ目は飲食店に直接納品
です。星付きレストランなど、様々な飲食店に卸しているそうです。
三つ目が個人に向けての直送
。産地直送便ですね。例として、ポケマルさんや食べチョクさんなどがありますね。
もっと詳しく!
今回のコロナ騒動で1番の売り上げ悪化は飲食店への直接納品ということは分かると思います。それに続いてJAの売り上げも減少するのも納得でしょう。ここで気づいた人もいるかと思いますが、個人への直送は増えています。家にずっと篭っている人が増えているので当たり前でしょう。受け取りやすさや、外に出なくて美味しいものが食べれるので人気となっているようです。個人宅配が増えたところで利益に影響が出ないは言い過ぎじゃ無い?と思われるかもしれませんが、ここには一つカラクリがあるんです。それが、JAに対する卸値の約三倍の値段で個人宅配は売れているということです。『えー!そんな悪どい商売やってるの?』と思われてしまうかもしれませんが、JAから来てスーパーに並んでいる野菜の値段と、直送野菜の値段はほぼ同じになりますので、適正価格で売れている
と言えます。なぜ三分の一の値段でJAは買っているのに、スーパーに着く頃には三倍近くの値段になのか、?が浮かんでいる人が多いと思うので説明したいと思います。
各地域のJAからみなさんの近くのスーパーに並ぶまでJAやスーパー以外の業者を多数仲介しています。その際の手数料やらなんやらで、産地からスーパーに届く間に売値が3倍ほどになってしまうんです。
先ほどもお話ししたように直送の需要拡大、JAに売る約三倍の値段で売れるという二点が、今回のコロナ騒動の条件と上手くかち合い、JAと飲食店への直接納品という二つの販路で売れなくなってしまっても、利益に影響なく運営が出来ているという訳ですね。
じゃあ農家さんには何の影響も無かったのか〜と思われる人もいるかと思いますが、それは違います。農作物が売れず困ってしまっている農家さんは多くいるでしょう。ほとんどがそうかもしれません。
江川さんの販路を三つ挙げましたが、基本的に多くの農家さんはJAに納品するという一つの販路しか持っていません。なぜなら新しい販路を拡大するのは難しいし、大変だからです。普段の畑仕事に加えて、営業の仕事もしなければならないのです。この大変さは想像しただけで分かると思います。江川さんが営業をしっかり行い販路を増やすという長年の頑張りがコロナ騒動を難なく乗り越える要因となったのでしょう。
2-2.機械化って本当に良いこと?
さて、二つ目の話題ですが農作業の機械化についてです。僕はこの話を聞くまでは全部機械化にしちゃえばいいんじゃない?ぐらいに思っていましたが、意見が180度変わりました。
話は変わりますが、JAでは直送の三分の一の値段で買われているという話が先ほど出たと思います。このJAでの買取価格の具体的な数字がみなさん気になっているでしょう。ここでは分かりやすいジャガイモを例に見ていきたいと思います。みなさんがもし農家さんなら、自分が苦労して育てたジャガイモを1トン(1000kg)いくらで売りたい、売れると思いますか?
様々な答えが出たと思いますが、1トンのジャガイモは約5万円で買われるそうです。軽トラ一台分ぐらいの重さのジャガイモが5万円で買えちゃうわけですね。ジャガイモは他の野菜と比べても安く買えることをスーパーでも感じ取れると思いますが、なぜ他の野菜に比べて安く買えるようになっているのか、考えたみたことはありますか?
それはジャガイモが他の野菜に比べ育てやすかったりなど沢山の理由がありますが、機械化が進んでいるということが大きな要因
としてあります。ここでやっと機械化について触れられますね(笑)。機械化は文字通り、収穫や、農薬散布、畑づくりなどの工程で大型の機械などを使い作業を行うことを言います。機械化をすると、もちろん大量生産、時間短縮など多くの要因があり安く作ることが出来ますが、この機械化は北海道の様な広い土地が必要になります。大量に作れる広い土地が無いと、機械を買って使い出しても儲けが出ないんですね。
全ての農家さんが北海道のような広大な土地で農業をやっているわけでは無いので、全ての農家さんが機械化を進めている訳では無いということも分かると思います。
じゃがいもの値段はどう決まる?
ここで問題となってくるのは、少ない土地で丁寧に作ったジャガイモでも、機械化で大量生産されたジャガイモと同じ値段でしか売れなくなってくるという点です。魚の天然物や養殖物といった味に置いての明確な差があれば変わってくるかもしれませんが、それが機械化栽培された野菜と機械化栽培されていない野菜との間の味の差は残念ながらほとんどありません。
したがって、大量に安く作られたジャガイモが人気になり、市場の適正価格になるのは自然な流れだと思いますし、それを否定する気はありません。しかし、日本の農業を良くするという点から見るとなんでも機械化を進めればいいものとは思えなくなってきます。日本の農業を良くする。これの中に、農業従事者(農家さん)の数を増やすということがあると思います。ですが、新規就農者が最初から大きな畑を持っているはずもなければ、何百万もする機械を持っているはずもありません。ということは、機械が使える環境であるはずが無いのに、機械を使って大量生産、安価に作っている大規模な農家さんと同じ土俵で戦わなければいけません。それに加えて、新規就農者は野菜作りにおいてベテランではありません。技術面でのディスアドバンテージもあります。これらを省みれば、新しい農家さんを増やそうとする気は全くないと言われても否定は出来なさそうですね…(笑)
消費者にも責任が?
そういう状況の中でも、農家さんを志す方はまだいます。ですが、今から普通の農家さん(従来の農家)になっても儲けが少ないため、単価が未だに高い野菜を中心に作ってる方が増えているそうです。例えばですが、ハーブ類や今まで見たことが無かったような西洋野菜など海外原産の野菜です。
ですが、考えてみてください。これから科学技術は発展し、様々な農作物の機械化が進むでしょう。それはハーブや西洋野菜といった希少価値の高い農作物も含みます。
それは消費者にとっては安くなるし、良いことだらけでしょう。しかし、日本において就農者は確実に減るでしょう。なぜなら、売値が下がることは農家さんの収入が減ることを意味するからです。
ここまで色々書きましたが、私は高い野菜を買えと言うつもりはありません。ですが、買う時になぜこの野菜がこの値段で売られているのか考えて見たりする事は、面白いし大切な事だと思います。
2-3.アスパラ農家に教わるアスパラガスについて
さてさて、最後はアスパラガスについてです。スーパーなどに置いてあり身近な野菜であるアスパラですが、どんな風に育っているのか知っていますか? 想像もつかない人が多いのではないでしょうか。
おそらく皆さんは、切られている下の方からひげ根みたいなのがヒョロヒョロ出ているのを想像されていると思います。しかし、実際はサツマイモの様に肥大化した根を持っています。
そして、その根からいくつも皆さんが知っている状態のアスパラがニョキニョキとタケノコのように生えてくるんですね。そんな珍しい生体を持っているアスパラですが、葉っぱがあることを知っていましたか?
多分、アスパラに葉っぱがあるのか無いのかなんて考えたこともない人がほとんどだと思います。実際に私もそうでした…(笑)
旬が二つ!?
アスパラの旬は、春と夏の二つあります。
そのうちの夏にアスパラは葉っぱを伸ばし、画像のような鬱蒼と茂る林になります。では、なぜ夏にだけについてお話していこうと思います。前提条件として、葉っぱは光合成をしてエネルギーを生成する為に出されます。これを踏まえて考えると、結構簡単にわかると思います。先ほどお話ししたサツマイモのように肥大化した根っこ。ここをエネルギーが貯められている場所と考えてください。二つの旬のうちの春には葉っぱを出さずに根っこに貯めているエネルギーを使いニョキニョキ生えてきます。しかし、貯めているエネルギーを使った為、もう一つの旬である夏には生えてくる為のエネルギーが足りません。そこで、葉っぱが出てくるわけですね。夏にエネルギーを再充電して春に使う。このようなサイクルが出来上がっています。
保存版!アスパラの保存方法
最後に、アスパラ農家さんに聞いたアスパラの保存方法をお伝えして終わりにしたいと思います。みなさん横に置いてアスパラガスを保存していませんか?
アスパラガスは元々縦に伸びる植物です。そのため、縦に置いておくのがアスパラにとって一番自然で適した保存方法だそうです。もし、もう一手間加えられるなら濡らしたキッチンペーパーなどで下を包むと更に良いそうです。花瓶に生けてあげる花と同じイメージですね。生けたお花が長持ちするように、アスパラも長持ちするようになります。さて、ここでは適切な保存方法を紹介しましたが、1番良いのはすぐ食べきってしまう事です。なぜなら、アスパラは鮮度が命だからです。(収穫したてのアスパラガスは生でも食べれます…)ここまで読んでくださった方なら分かると思いますが、スーパーのアスパラは流通の都合上、収穫から三日程経ってから並んでいます。その上、冷蔵庫で何日も寝かしてしまうと、アスパラのコンディションが日に日に落ちていってしまいます。買ったその日に使い切るなんて難しいと思われるかもしれませんが、意外と出来ちゃうもんです。
下の方の固いところをピーラーなどで削り、茹でる。または、ソテーして塩、胡椒、オリーブオイルだけでも美味しいですし、削った固いところで出汁をとり、アスパラのリゾットを炊いてあげても旨いです。後、アスパラ農家江川さんオススメの天ぷら、これもめちゃくちゃ美味いです。
3.まとめ
マヨラー集まれ!のまとめはこんな感じで終わろうと思います。色々書きましたが、少しでも農家さんを身近に感じて頂けたでしょうか?
また別の農だけでなく、畜産・酪農、や漁など食に関係するイベントを開催していこうと思うので、見つけたら参加してあげてください。めちゃくちゃ面白くて深い、食を感じてもらえると思います。
食欲で行動する高校生、中島陸でした。ではでは〜
追加情報
・こちらから、今回ゲストとして参加してくださったアスパラ農家、江川さんのアスパラが買えちゃいます!切り口から水が滴るほど水々しいアスパラ。スーパーに売ってあるものとは別物です!
・この動画は僕がリゾットの作り方を教えてもらった、入門動画です!リゾットを生米から炊いてみませんか?
読んだらあしあとをつけましょう!