私にとって知るということ-Futaba Amemiya-

私にとって知るということ-Futaba Amemiya-

読んだらあしあとをつけましょう!

こんにちは!

Care International Japan Youth Project グローバルチーフの

雨宮二葉です!

ここでは自己紹介がてら、私がいろんな活動や出会いを経験するときに

どんな意識を持っているのかをシェアしていきたいと思います:)

1.小さいころに経験したこと

 私は小学校三年生の時にアメリカに引っ越しました。幼かった私は行ったことのない新しい世界に行けることが楽しみで仕方ありませんでした。通い始めた学校には、白人、黒人、アジア人、ヒスパニックをはじめとする多様な人種構成はもちろん、それぞれ異なる宗教や文化のもとで生まれ育だった子たちがたくさんいました。

初めて自分が外国人になった私はかなり緊張したけれど、メルティングポットと言われる社会でなじむことはとても簡単でした。白人とヒスパニックの親友がいてお互い母国語や国籍は違ったけれど私たちにとって見た目や中身が違うことを良いとも悪いとも思わなくて、それが日常でした。

2.知識と概念

 アメリカでの生活に馴染んだ頃、私は世界史でアメリカの人種差別について学びました。初めて触れる歴史や人々の葛藤は当時の私の心を強く打ち、差別はあってはならないものだと学びました。そして同時にその授業は私に“人種差別”と言う概念を与えました。当時の私は学校の用務員、マンションの作業員、モールの清掃員や他にも汚い、危険と思われる仕事をしているのが黒人やヒスパニックだということ、今まで気づかなかったことに気が付きます。“人種”や“差別”、“偏見”が人々の背景に付きまとうことを知った私は、どうして学校にいるみんなは同じなのに、社会に出ると同じでなくなってしまうんだろうと考えるようになりました。人種差別の過ちを学ぶための授業が人種差別という概念を私に与えた、なんとも皮肉な体験です。

3.ふれてはいけないこと

海外生活を終え帰国して何年かたった時、私がショックを受ける出来事がありました。海外の芸能人について友達と話していた時のことです。名前を思い出せなかったある女優のことを私が「黒人の女優さん」と説明したことに対して友人が信じられないという顔で私を注意しました。「黒人って言ったらいけないんだよ。」白人といってもアジア人といっても何も言わない友人が黒人だけに反応を示したことに知識と概念が及ぼす影響を感じました。差別について学ぶより先に人種を気に留めず生活していた私は、差別について学び現実を知っても人を見る目は変わりません。

でも多様な人種に囲まれる生活を知らない人が、かつて黒人は差別されていたと知ることによって逆に意識をしてしてしまいます。これは人種差別だけではなく病気や障がい、国籍や生まれなども同じです。決して差別しているわけではないのに違った目で見てしまう。グローバル化やSDGsが普及し多様な文化に触れる機会が増えてきた中で、私たちは学ぶことをどうとらえるべきでしょうか。私たちは世界を知りたくて、困っている人たちの力になりたくて、日々たくさんの経験を通して知識を増やしています。でもその知識が私たちにマイナスな影響を及ぼしているかもしれない、と考えたことがありますか?私たちの活動でいえばどんなことでしょう。

4.フィルターを通して見ること

  貧困のついて興味がある皆さんならこんな写真をよく目にすると思います。この画像を見たときにどう思いますか?かわいそう?助けてあげたい?

こう思ったときに心にとめておかなければいけない問題があります。それは貧困ポルノです。貧困ポルノは援助を受ける人たちを標本や鑑賞の対象として扱うことです。上から写真を撮ることで上目遣いを強調し、守ってあげたいをいう感情を引き出しているのだとか。このような写真は先進国が発展途上国を“助けてあげている”というイメージにつながり、私たちの“発展途上国には様々な社会問題がある”という知識からくるこのステレオタイプを再生産します。自分の写真が遠い国でかわいそうな対象として募金箱の隣に貼られていたらどうでしょうか。

私はインドに行ったときに、訪れた村の子供たちの明るい笑い声とコミュニケーションに笑顔と元気をもらいました。そして彼らに出会うことで、私の目標が変わりました。悲しい顔をしている彼らがかわいそうだから助けてあげたいんじゃなくて、彼らにもっと笑ってほしくて、みんなで一緒に笑い合いたいから協力したい。かわいそうです!ってみんなに広めるのも一つの方法だけど、そのイメージだけで私が出会った人たちをとらえてほしくないと思うようになりました。学んで発信する側になって初めて思ったことです。フィルターを少し変えると自分の視野や活動に対する思いも変わります。

5.知るということ

どうでしょう、皆さんにとって“知る”ということへの捉え方は変わりましたか?私にとって知るということは知識を得ることとは違います。実際に触れてみないとわからないことってすごく多いと思っています。自分が聞いたことが正しいのか、それがベストな情報かわからない、だからできるだけ多くの情報に触れ、たくさんの人の話を聞くようにすると心に決めています。そして「初心を忘れるべからず」、これも大切にしています。私がインドを訪れたときに引率をしてくださった方が「みんなとくると改めていろんな問題に気付ける。何回も来ると普通になってしまう」と言っていました。私たちは決して慣れてはいけない世界の状況を変えたいのだから、その気持ちを失ってはいけないと思います。長くいろんな問題に興味を持って調べているほど、新しい現実を目にしたときに心から驚く回数は減っているのではないでしょうか。知識は良くも悪くも人を変えていきます。その変化は私たちがどう情報に向き合い、どうかみ砕いて記憶し、人に伝えるかで方向が変わると思います。新しいことを経験したときにその時学んだことだけではなく、どう感じたかも書いてみる。それを積み重ねてこの先見返したときに、自分の経験や感情を見比べていくことによって自分が何を得たのか、何を“知れた”のかがわかるのではないのでしょうか。

皆さんにとって知るとはどんなことですか?

ぜひ探してみてください!


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