“豊か”ってなんだろう

“豊か”ってなんだろう

読んだらあしあとをつけましょう!

こんにちは!Care International Japan Youth Project グローバルチーフで高3の雨宮二葉です!

今回の記事では、私が高校1年生の時に行ったインドでの体験を皆さんとシェアしていきたいと思います!ぜひ最後まで読んでください:)

1.あなたは裕福ですか?

皆さんは自分はすごい裕福な生活をしている!と思って生活していますか?社会問題に興味がある皆さんならきっとこう思うはずです。「芸能人とか社長みたいにお金があるわけではないけど、発展途上国の人たちを想えば豊かな生活だな」って。私もまったく同じことを考えていました。人間の欲望には限度がなくて、望もうと思えばいくらでも望むことができます。でも違う視点から考えてみれば、私たちの生活には衣食住がすべて整っていて、学校にだって通わせてもらっています。明日の生活の安定は保障されていて、心配するのは明日返却されるテストの点数くらいです。とても裕福で恵まれている生活です。

だから私はインドに行くときに“大変な状況をこの目で見てきて、助けてあげるんだ”という思いで出発しました。この思いは無意識ではあったけど自分が先進国の人間であり、彼らを助けてあげる立場にある、という前提がありました。彼らと比較して私たちは恵まれている環境にあるわけですから、よりよい生活ができるように助けることは当然です。しかしインドでの8日間を経て、私は新たな考えを持って帰ってきます。

現地でのボランティアを通して、当たり前のように電気・ガス・水道のある環境で生活して、何一つ不自由なく暮らしていることの幸せさを実感したと同時に、自分の生活に足りないものにもたくさん気が付きました。それはインドで見てきた私にない豊かさです。

この経験は私が“助けてあげたい”から、“彼らにもっと笑ってほしくて、みんなで一緒に笑い合いたいから協力したい”という思いで活動するようになったきっかけです。外から見える変化ではなく、たかが心がけ、と思うかもしれませんが、されど心がけ。何がこんなに私を変えたのか、インドのラジャスタン州にある、バリンド村での話をしたいと思います。

2.人とのつながり

バリンド村の家庭にお邪魔したときに、その家のお母さんが自分の生い立ちについてお話してくださいました。彼女は当時33歳で2人の息子がいました。15歳で結婚して、旦那さんは町に働きに出ています。学校に行ったことがないので読み書きはできませんが、名前を書くことはできます。彼女の仕事は洗濯や1日2食の食事作り、5分ほど離れた井戸から水を汲んだり、畑仕事や家畜の世話などです。

15歳で結婚?学校に行ってない?毎日こんなに大変な仕事をしているの?私たちからすればすごく大変そうな毎日ですが、彼女はそんなことは思っていませんでした彼女にはたくさんおしゃべりできるご近所さんやママ友、月数回は会う家族がいます。周りの人と支えあい、つらいことも楽しみが忘れてまた頑張ることができるそうです。私たちが家事の体験をさせてもらっている間も村の子供たちやお母さんたちがたくさん外に出てきていてコミュニケーションをとってくれました。バリンド村の人たちのつながりの、当たり前で特別ではない感じが、むしろ私には特別で暖かくて確かなものに見えました

スマホの便利さから人と顔を見て話すことが減ったり、いつでも連絡を取れるという安心感からいつも会えない人と会うことの重みが減っているように感じます。新しい技術は私たちの生活をより“豊か”なものにしてくれていますが、その便利さの裏で失われているものにも目を向けることを忘れてしまえば、私たちはスマホに支配されるようになってしまうかもしれません。

今流行している新型コロナウイルスは世界中を大きく揺さぶり、今まで見えていなかったグローバル化の落とし穴が露わになりました。zoomなどの最新の技術によって学んだり働く機会が守られ、私もそのありがたさを痛感しました。しかし同時に、画面上でしか会えないことの物足りなさや寂しさも強く感じ、改めて友達や先生、親戚と直接会って話すことがどれだけ私の支えになっていたかに気づくことができました。画面上のコミュニケーションと実際のコミュニケーションは別物で、どちらも豊かさには不可欠です。

3.時間との向き合い方

バリンド村のお母さんの家には時計が一つしかなく、あまり使っていないという話を聞きました。私たちは家の中にお邪魔してチャパティー作りを体験しましたが、家の中で時計は見なかったのでこの時は、あったんだ、というくらいにしか思わず、メモにさらっと書いた程度でした。でも泊まっていたコテージに戻ってメモを見返していた時、とても不思議に思いました。学校に行っている息子も街に働きに行く旦那さんもいるのに、時計は一個しかないんです。私たちとの生活と違うなあ、と思いませんか?


私の生活は時計だらけです。家では部屋に少なくとも一つは時計があって、テレビやパソコンでも時間が見れるし、そもそも腕時計がスマホなどを持ち歩いています。駅でも学校でも時間を見て、私たちは常に時間に追われています。時代が進むにつれて物事にかかる時間が短縮しました。でもその空いた時間で私たちはまた何かやることを見つけて結局忙しくなってしまいました。分単位で刻まれた私たちの生活はストレスで溢れています。

すっかり時間に縛られてしまった私は何をするにも時間を見てばっかりです。小さいときは時間を気にせず好きに遊んですごしていたのに、今となってはせっかく好きなことに熱中していても“もっとためになること”に時間を使ったほうがいいのではないかと感じたり、バスに乗っている時間でさえもったいなく感じたりしています。好きな本を読んだり、曲を聴いたり、動画を見たりする時間が“何もしていない”時間になってしまい、時間に追われることで自分の好きなことに優劣をつけて、何が時間を使うに値するかを決めているようになっていると感じます。

今年の春は自粛生活で外に出ることができませんでしたが、自分のために使える時間がたくさん増え、今までできなかった読書や料理など、自分が興味があると知らなかったことに挑戦できました。忙しい中でも自分のための時間を作ってやりたいことをやり、心に余裕を持つことで、人生がもっと彩り豊かなものになり、自分の成長につながると思います。

4.夢を持って学ぶこと

バリンド村にいた子供たちは日本に暮らす私たちのような教育にアクセスすることはできません。でも学校に並んで座っていた彼らはそんなことは気にもせず、まっすぐで輝いた目で私たちを見ていました。少し離れたベルダラ村という場所にある学校では、女の子が通えるようになったり、パソコンの使用が始まったり、学費や給食の支援もあったりと、環境の改善により学ぶ機会に恵まれた生徒たちにたくさん会うことができました。12年を経て卒業したら、16キロ近く離れた大学に通って、中には自分のやりたい専門を学びなおす人もいると聞いてとても驚きました。学校が楽しそうで、学べるということにすごく感謝している彼らを見て、もう二度と学校に行きたくないなんて言えないな、と思ったのを鮮明に覚えています。

私たちはどうでしょう?とても恵まれた私たちは、当たり前のように勉強に専念することができています。でも「私はダメだし」とか「自分はできない」とか「時間がない」とか、チャンスはたくさんあるのにマイナスな言葉で自分を縛って限界に挑戦する前に諦めたことがある人も多いと思います。確かに点数や順位、成績など、比較がはっきりできてしまう勉強はやる気を失いそうになることが多いです。でも勉強のもともとの意味は何でしょう?

国語で読む話がつまんないとか、こんな公式いつ使うんだよって思うこともあります。でももしそれを今いらないと判断し捨ててしまえば、将来の道を削ってしまうことになるかもしれません。夢をかなえる手段である勉強が、夢を選ぶ時の条件のようになってしまえば、勉強するということの意味を見失ってしまうということにもなるのです

勉強は本来なりたい自分に近づくための方法であり、疑問への答えや自分の意見を探すための、最強の武器だと思います。なんとなくのために勉強に時間を使うなんてもったいない!やらなきゃいけないからではなく、将来やりたいこと、夢をかなえるためのステップとしてならば、勉強は時間を縛るしんどいものから、未来の自分をいろんな意味で豊かにしてくれるものになる、インドで出会った子たちと会ってそんな風に思いました。

5.豊かであるということ

私がインドで学んだ“豊かさ”について書いてみました。どうでしたか?

皆さんにはこの豊かさがありましたか?
消費主義みたいな考え方も一つの豊かさですが、豊かさの形は一つではありません。自分の中身も豊かさもあり、それを磨くにはお金がかかりません。お金をかけずに豊かになれるなんて!素敵じゃないですか?

最初、私はインドで支援を受ける人たちの暮らしの豊かさなんて想像がつきませんでした。でも、自分の文化の物差しで異なる文化を測ることなんてできません。経済的に豊かではないからと言って全く豊かさがないわけではなく、逆に経済的に豊かであっても、持っていない豊かさはあります。どこに行ってもみんな同じです。

いろんな豊かさがあって、自分はどっちなんだろう、自分に足りないものを探してみよう、と考えられることはとても幸せだと感じます。自分がもっと幸せになれるように、もっと良い人生が送れるように学び続けることができるのも一つの豊かさです。違う世界に飛び込んでみて得られるものは知識だけではありません。新しい発見は必ず自分を変えます。変わった自分でまた新しいことに挑戦すればまた違う発見が…終わりがないです!

みなさんも何か新しいことに挑戦して得られる新しい“何か”を探してみてください!

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