部活動とジェンダー
読んだらあしあとをつけましょう!
こんにちは!CARE Youth メンバーの山下ちひろです。
今回は、私たち高校生にとって身近な「部活動」からジェンダー問題について考えていきたいと思います。
私は中学・高校と吹奏楽部に所属していますが、中学でも高校でもいつも感じていたのは、「吹奏楽部は男子が少ない」ということです。
これは高校でたくさんの文化部を見てきましたが、主要な文化部にはほとんどの場合に見られる傾向なのではないかと感じています。
一方で一般的に「運動部」と言われる部活を見てみると、男子のみの部活が多かったり、男女混合でも男子のほうが多い部活が多いと感じます。
もちろん男女が分かれているスポーツも多いとは思いますが、それでも運動部に男子が多いのは事実なのではないでしょうか。
この「男子は運動部に多く、女子は文化部に多い」という傾向は、スポーツ庁の「令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」でも明らかになっています。(中学生のデータです)
わかりやすい部分で見ると、男子は運動部のみ所属が65.2%。文化部のみが8.2%なのに対し、女子は運動部のみが50.1%、文化部のみが29.5%と、上記の傾向が数字として現れているのがわかります。
☆なぜこのような傾向が現れているの?
では、なぜこのように運動部と文化部で男女比が違うのでしょうか。
①男子はもともとスポーツを習っている人が多い
これは、男女別の習っている習い事の種類についてのグラフです。
これを見ると、全体的に男子はスポーツを習っている人が多く、女子は音楽系の習い事をしている人が多いのがわかります。
また、運動部を選ぶ人は、以前からそのスポーツをやっていて、続けたいと思って入部する場合が多いというデータもあります。
そのため男子はスポーツを習い事として行っている人が多く、そのスポーツを続けて技術を高めるために運動部に入る人が多いのではないかと考えられます。
②「男子は運動部、女子は文化部」という固定概念がある
これは、①の状態になる背景にもなるかもしれないですが、やはり、「女子はスポーツに適さない」「男子はスポーツをするものだ」という誤解から来る上記の固定概念が長い間社会の中にあったからだと考えられます。
女性は能力的に運動することについて劣っている、女らしさがなくなるなどの考え方がいまだに残っていることで、女子が参加できる運動部が少ない状況にあり、女子が運動部に入りにくい、逆に女子が多くなる文化部に男子が入りにくいという状況が生み出されているのではないでしょうか。
☆マネージャーについて
また、特に運動部に存在する「マネージャー」という立場。それはほとんどの場合、女子が担っているのではないでしょうか。
本来、マネージャーは組織管理をする立場であり、それを行うのは男女関係ないはずです。しかし、日本では部活動において練習などの補助や事務作業を行う人と位置付けられ、女子のほうが気が利く、母親的な存在があってほしいなどの考えが多いことから、女子マネージャーが多いのではないかと考えられます。
数年前に、高校野球の会場で練習を手伝っていた女子マネージャーが退場させられるというニュースがあり、大きな話題になりました。マネージャーであっても女子はスポーツにおいて下に見られる、一方でマネージャーを男子がやりにくい状況にある。根深いジェンダー問題が裏に潜んでいるなと感じます。
☆まとめ
ここまで、部活動とジェンダー問題の関わりについて簡単に書いてきました。
私たちにとって身近で、青春時代の一番多くを過ごすであろう部活。それ一つをとっても、性によって数多くの差や壁があることを感じていただけたのではないかと思います。
今回私は解決方法のようなものを書いていません。ジェンダーに関する問題は、長い間社会に存在してきた意識の部分を変えていかないとなくなりません。
だからこそ、このような現状があるんだよ、ということを皆さんに知ってもらうために、敢えて現状のみを伝える形にしました。
どうすれば、中高生が性別を気にすることなく、やりたい部活に力を注げるようになるのか。そして、社会の中で男女による格差をどうやってなくしていけばよいのか。少しでも考える機会にしてもらえれば嬉しいです。
☆参考文献(基本的に参考にしたもの)
https://www.mext.go.jp/sports/content/20191225-spt_sseisaku02-000003330_8.pdf
https://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOSODATE/ANQ2/PDF/1_2.PDF
http://sport.edu.ibaraki.ac.jp/semi/2015/36sugiura.pdf
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