地球と共生 サスティナブルな街づくり 

地球と共生 サスティナブルな街づくり 

読んだらあしあとをつけましょう!

みなさん、こんにちは。Care International Japan Youth Projectメンバーの滝本智丹です!

皆さんは自分の住んでいる場所にどのような印象を持ちますか?まちは人々の生活の中心となる場所であり、全く同じまちは存在しません。それぞれにその土地独自の環境や文化があるのです。現在、持続可能なまちづくりや地域活性化は常識の垣根を越えた形で行われています。今回はそんな「サスティナブルな街づくり」について紹介したいと思います。

街が抱える課題

現在、都市に暮らす人の数は世界人口の半分以上を占めています。そして、2050年にはその数が世界人口の3分の2にのぼるともいわれています。

都市には都市特有の問題があり、人口集中による住宅不足、老朽化した建物、大気汚染やゴミ問題、犯罪などがあげられます。また地震や台風、洪水などの自然災害に対する防止策も考えなければなりません。さらに一人一人の住みやすい街づくりの実現のため、住む人々が都市計画や管理に参加できる仕組みを作ることも大切です。

このグラフは、都市部にすむ30パーセントの人が、スラムと呼ばれる場所に住んでいることを示しています。サブサハラン・アフリカ地域では、55パーセントにものぼり、地域格差が浮き彫りになっていることがわかります。

都市のスプロール現象

世界中の急成長している多くの都市では、人口の増加が行政の境界をはるかに超えて外に向かい、都市のスプロール現象が多くの地域で見られます。※スプロール現象⇒都市部から郊外に宅地が無秩序・無計画に広がっていく現象(広辞苑より)

2000年から2015年にかけて、東アジアとオセアニアは人口増加に対する土地消費の比率が最も高く、これらの地域の都市がより人口密度が高くなったことを意味します。都市のスプロール現象は、二酸化炭素の1人当たりの排出量の増加と有害な汚染の原因になり、住宅価格を押し上げることが多く、そのすべてが持続可能な開発を妨げています。

サスティナブルな街づくりとは

SDGsで掲げられている目標11「住み続けられるまちづくりを(Sustainable cities and communities)」では包括的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市および人間移住を実現することを念頭に定められています。

レジリエントとは「速やかに元の状態に回復する能力・性質」のことです。つまり災害などが発生しても、すぐに対処可能な街の形成をさしています。

また、都市は人口が集中しているからこそ、都市部でエネルギーや気候変動といった地球規模の問題に取り組めば大きな変化が期待でき、持続可能に繋がるのです。それではどのような街があるのか具体的に探っていきましょう。

Case① インクレディブル・エディブル(Incredible Edible)

イギリスの小さな田舎町、トッドモーデン。このまちでは庭、道沿い、店先、警察署や病院の前、駐車場の隅っこなど至る所に食べられる植物が植えられ、「Incredible Edible(信じられないかもしれないけど、好きなように採って食べていいよ)」の看板が掲げられています。

この企画は2008年に主婦たちのおしゃべりから生まれ、殺風景だったまちかどには緑が溢れ、野菜を世話する人、採る人が立ち話をするようになりました。また、観光客も増え、活動はほかの町や地域にも広がっていきました。

食を通したコミュニティ構築をめざす「インクレディブル・エディブル」のネットワークにはイギリス全体で100以上、世界で1000以上もの団体が参加しているといわれています。

さらに、地域の人々は観光客はただ食べて帰ってもらうだけではつまらないということで、「Incredible Edible Green Route(インクレディブル・エディブル・グリーン・ルート)」という町のなかを巡るツアールートの確立にも取り組みはじめました。食べることは強制ではありませんが、食べることは社会参画の一環という意識があります。

これらの取り組みはすべてその土地に住む住人が考案し、行政に頼るのではなく、自主的に取り組み始めました。これからの時代、私達も行政だけしか政策提言やまちづくりをしてはいけないという考えを取り払い、住人と行政が連携して、行動を起こすことが大切だと考えます。

Case② コペンハーゲン カーボンニュートラル

デンマークの首都コペンハーゲンは現在、環境配慮の精神が根強く、サスティナブルな街として注目されています。※カーボンニュートラル⇒排出される二酸化炭素を自然エネルギーの導入などのよって相殺すること

歴史的町並みを保存しながらも、最先端のシステムを取り入れているコペンハーゲンでは2050年までにエネルギー供給の100%を再生可能エネルギーで賄うという目標を掲げています。風力発電や太陽光発電はもちろんのこと、バイオガスで走るバスの導入、地域暖房・地域冷房の導入、住宅や建造物のエネルギー改修など様々な政策が実行されています。

自転車に乗りたくなる街づくり

「世界で一番自転車にやさしい街」を目指してきたこの街は、2014年の「自転車会計」によると、郊外からコペンハーゲン市内に通勤通学する人のうち45%、市内から通勤通学する人のうち63%自転車を利用しています。

コペンハーゲン市が自転車関連事業に費やした金額は約180億円。約350kmにおよぶ自転車専用道路や専用信号に加え、港の上を走れる高架式自転車専用道路が開通しました。

通勤の時間帯は時速20kmで走行すると赤信号にかかることなくスムーズに走れるよう制御されたグリーンウェーブというシステムのほか、自転車から捨てやすいように斜めに傾いたゴミ箱を自転車道沿いに設置も行われています。

発電所の上にスキー場

2019年10月、コペンハーゲンで「Amager Bakke(CopenHill)」という廃棄物発電所(ごみ焼却時の熱を利用した発電所)の上に人工スキー場がオープンした。

嫌厭されがちな廃棄物発電所の上を遊び場にすることで、都市資源の扱い方を間近で見て、考えてもらおうという試みです。「Amager Bakke」は、廃棄物発電所から1tの二酸化炭素が大気中に放出されるたびに、煙突から“水蒸気の輪”が出される仕組みになっています。コペンハーゲン市民が今、どれほど炭素を排出しているのかを意識させる目的があります。

まとめ

これからの時代、人口増加や自然災害が懸念される中、私達は街との共生を図るために、自分の住んでいる場所を見つめなおし、独自の価値を見出すことが大切です。街は社会全体の基盤です。それぞれの土地や場所で誰もが「好き」と思えるような街を作りましょう。声をあげましょう。

行政・住民の隔たりを無くして、共に未来を作っていきましょう!

参考文献

未来を変える目標 SDGsアイデアブック 一般社団法人 Think the Earth 

未来を作る道具 わたしたちのSDG ナツメ出版企画株式会社

https://www.daiwahouse.com/sustainable/sustainable_journey/smartecotowns/001/

https://emira-t.jp/special/12498/

https://unstats.un.org/sdgs/report/2016/goal-11/

———————————————————————————————————-
お問い合わせは下記までお願いいたします。

Facebook:https://www.facebook.com/cij.youth.p/

 e-mail:care.youth.p123@gmail.com

ーケア・インターナショナル ジャパンとは ー
CAREは、1945年から100カ国以上で人道支援活動を実施してきた世界最大級の国際協力NGOです。

CAREの日本事務局では、主にアジアやアフリカにおいて、災害時の人道支援を行うとともに、「女性と女子」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況にある人々の自立を支援しています。

国際協力NGO CARE|ケア・インターナショナル ジャパンhttp://www.careintjp.org/ 

読んだらあしあとをつけましょう!

CARE International Japan Youth  project
CARE International Japan Youth project

【Vision】 知らないことは罪では無い、知ろうとしないことが罪なのだ 【Mission】 Input→Output→Action (知識・考え・情報の共有、発信の場、主体的な個々人の行動への道しる...