当たり前じゃない食事
読んだらあしあとをつけましょう!
こんにちは!
Care International Japan Youth Project グローバルチーフで高3の雨宮二葉です!
今回の記事では、食事について私の体験を交えて考えたことを皆さんと
シェアしていきたいと思います!ぜひ最後まで読んでください:)
1.Global Dinner
私が中1の時に参加したある団体のキャンプでやったGlobal Dinnerという企画の話をします。
キャンプ2日目の夕方に参加者が全員集められて夕ご飯を食べるグループを決めるためにくじ引きをしました。
一番多かったのがC、その次にB、そしてAは数人でした。その日の夕食はそのグループによって変わる、という内容のものでした。
どんなグループ分けかわかりますか?
Aは先進国、Bは中流階級、Cは発展途上国を現しています。
私はBのくじを引き、フルコースを食べているAと食べるものを何ももらっていないCの間で、仲間たちと一緒に白米と豚汁を食べました。
今日の夕ご飯はこれしかないのかもしれないと考えていたB、そして何もないCは特に不安でいっぱいで、Aの余った食事が「廃棄します」って宣言されながら消えていくのを見ていた時の雰囲気は最悪でした。
最初はみんな驚きと悔しさで何もできずにいましたが、そのうちにAグループを見守る大人をすり抜けて、もみあいになりながらも食べ物を取りに行くお兄さんやお姉さんが出てきて、最後はデモまで発展しました。
企画の後にB・Cで食べたおにぎりはとても複雑な味で、企画が終わってしまえばおなか一杯温かいご飯が食べれる環境に自分がいることがありがたくもありましたが、とてもつらかったです。
もちろん、叫んでいる私たちをそばにフルコースを食べたAの人たちも私たちとは全く違った経験をしたと思います。
普段はAにあたる生活をしている私たちは、BやCにあたるような人たちと会う機会は少なく、ましてや同時に自分の国の食事をすることなんてありません。
実際に体験してみた、といえないかもしれませんが、くじ引きで自分で生まれまれる環境を選ぶことができないことを再現し、メニューで食料廃棄やフードロスの問題を再現しているこの1回の授業で感じた衝撃と驚きは、この企画がなければ一生気づくことのなかったものだと思います。
学ぶことは楽しいことではありますが、現実を目の当たりにするということは楽しいことだけではないことも学びました。
2.フードロス
2019年11月版の消費者庁消費者教育推進課による食品ロス削減関係参考資料によれば、日本の一年のフードロスは643万トン、これは国連世界食糧計画による食糧援助量の1.7倍にあたります。
私たちは毎日10トンの大型トラック約1,760台分を廃棄していて、年間1人当たりのロス量は51kg。
ロスの半分は家庭によるものです。
自分は関係ないと思ったあなた、この問題は意外と身近で大きなものです。
世界では年間約13億トンが廃棄されていて、これは人の消費のために生産された食料のおよそ1/3に値する量です。想像もつかない量です。
この資料には小売店・飲食店、地方公共団体や学校などでできる対策が記載されていますが、家庭での対策を紹介したいと思います。
ロス量の計量を行うこ とで約20%、それに加え削減の取組を行うことで約40%、ロス量が削減することが判明したそうです。
皆さんの家庭はどうですか?
食べられない以上のものは買わない、余ったら持ち帰る、残さず食べる。
「もったいない」は日本が誇るべき文化です。当たり前のことが積み重なっていけばきちんと数字に表れ、現状を変えることができます。
私たちは、膨大なエネルギーと労働力を駆使して生産・消費し、大量に廃棄をしています。これは食品に限った話ではありません。
資源の枯渇やエネルギーの浪費が引き起こす問題は気候変動や環境汚染などの大きな問題につながっていきます。
生産者と消費者の需要と供給を合わせること、生産過程や材料が地球に及ぼす影響を考慮することも私たちができることです。
3.食料格差
食料格差の原因は何だと思いますか?食料が足りていないから?実は違うんです。
世界には2019年時点で6億9000万人飢餓に苦しむ人がいますが、穀物の生産量は増えています。
もし穀物の総生産量26億トンが世界の77億人の人たちに平等に配られたら、1人当たり年間340キロ以上食べられることになり、日本人の年間消費量より186キロも多いことになります。
しかし飢餓は現在も深刻な問題となっています。
一つの原因は地球温暖化に伴う異常気象です。
しかしアフリカ全土の二酸化炭素の排出量ははるかに小さい日本の排出量と同じであり、二酸化炭素の排出量が多いのは特にインド・中国・アメリカなどの先進国です。
本当ならば先進国が責任を負うべきである地球温暖化によって発展途上国の生活が苦しくなっています。
ほかにも取引や資源の奪い合いなど、様々な問題に影響を受けて飢餓は起こります。
食糧不足に影響されるものは健康だけではありません。
健康な体がなければ働きに出ることが困難になり、思考力や集中力も低下してしまいます。
今日を生きることに精一杯であれば、明日のことを考えたり将来について計画を立てることこも難しくなります。
生活向上に食は不可欠なんです。
これらの問題を解決するためには、食料が不足している地域で生産量を増やすことが大切です。
家畜などの食料も確保しなくてはいけません。
そして生産量をただ増やすだけでなく、地元の生態系を守り、土地の栄養を保ったまま農業を行うために持続可能な農業をする知識も大切です。
災害や紛争によって起きる突発的な飢餓には緊急支援を、慢性的な飢餓には自立支援やビジネスを通じたサポートなど、原因を理解し異なるアプローチをしていくことが解決につながっていきます。
4.食べる権利
Global Dinnerでみんながご飯を奪ってデモをしていた時、後ろに立っていたお兄さんがぼそっと言ってみんながはっとした言葉があります。
「現実だと生・死・殺になるから、この状況でさえも難しいのに本当にやるのは大変」という言葉です。
当時はほんとうにそうだな、とまでしか思いませんでしたが、今思えば生きるために必要なものが手に入らない状況があること自体が大問題です。
食べる権利は誰もが平等に、当たり前に持っているべきものです。
2018年の夏インドに行ったときにお会いしたあるお母さんが、食べ物が海外でたくさん廃棄されていることについて「こういう生活をしているのは私たちの運命で仕方がない」とおっしゃっていました。
しかしこの格差は運命であってはならないものです。
私事として問題と向き合い、世界中の人たちが食に困らないように、食を楽しみ、自分の国の食文化を持って引き継ぐことができるような世界にするために、学びアクションを起こしていかないといけません。
皆さんも自分にどんなことができるのか考えて実行してください!
参考文献
消費者庁消費者教育推進課 「食品ロス削減関係参考資料」
Hunger free world 「世界の食料事情」
読んだらあしあとをつけましょう!
【Vision】 知らないことは罪では無い、知ろうとしないことが罪なのだ 【Mission】 Input→Output→Action (知識・考え・情報の共有、発信の場、主体的な個々人の行動への道しる...