Online哲学カフェ開催レポート
読んだらあしあとをつけましょう!
こんにちは!Qulii編集部の谷増です。
先日、大人気哲学家である小川仁志先生を講師としてお招きし、「自粛」をテーマにオンライン哲学カフェを開催しました。
ファシリテーターを務めた僕が、イベントの様子や感想をお届けします。
企画概要
この企画は、大学教授であり、大人気哲学者でもある小川仁志先生のもと、「自粛」をテーマに哲学していくというイベントです。
新型コロナウィルス感染拡大を受け、長引く外出自粛。コロナの過ごし方やコロナの影響、世界の対応など、色々なプログラムが開催されました。
しかし、そもそも「自粛」とは何でしょう?
やりたいことを我慢すること?それではダイエット中のお菓子を我慢するのは自粛と言えるでしょうか?
粛という言葉の熟語には静粛などがあるから、だからええと…
これ、意外と答えられませんよね。
というわけで今回は、16名の高校生とともに、我々の生活様式をここまで変化させている「自粛」について考えました。
全体の流れとしては、コロナの中で多く使われるようになった「自粛」という言葉の定義を再構築するため、参加者同士での対話を1時間行いました。
対話のあとは質疑応答タイムを設けたのですが、やはり哲学の専門家と話す機会は貴重だったのか、皆さんとても積極的に発言しており、その後のアンケートの満足度も非常に高かったです。
講師紹介
小川先生のプロフィールはこちら↓
・哲学者・山口大学国際総合科学部教授
・1970年生まれ
・京都市出身
・洛南高校卒業
・京都大学法学部卒業
・名古屋市立大学大学院博士後期課程修了
・博士(人間文化)
・米プリンストン大学客員研究員(2011年度)
・専門は公共哲学・政治哲学。商社(伊藤忠商事)、地方自治体(名古屋市役所)、フリーターを経た異色の哲学者
・「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している
その他にも様々な分野で活躍されている方ですので、紹介します。
・テレビ出演
先生は毎週水曜日に「世界の哲学者と人生相談」という番組で哲学解説者を務めています。また、共演者には高田純次さん池田美優さん(みちょぱさん)などがいらっしゃいます。
・本の執筆
小川先生は「7日間で突然頭がよくなる本」や「人生が変わる哲学の教室」をはじめとする哲学書を50冊以上執筆されています。公共哲学を専門とされているため、哲学に関心のある市民向けの本も数多く執筆されています。
他にも、月1のペースで哲学カフェを行ったり、テレビのほか新聞など各種メディアに登場しています。
小川先生は「哲学で人生が変わる」という実体験から哲学を普及させるべく、大学教授だけではなく幅広く活動されている方なのです。
「自粛」の再構築
さて、哲学によって参加者の哲学に対する考えは、どのように変化したのでしょうか?
まずは「自粛」に対するイメージ、そして「自粛」とは?について尋ねました。やはり、大多数の人が現在の「自粛」というワードに対してマイナスのイメージを抱いていました。
では、なぜそこまでマイナスイメージが先行してしまっているのでしょうか?
そこで出た意見としては
- 外に行って遊べないから
- 自由が失われているから
- 自粛をする意味が見当たらないから
- みんなに会えないから
などの意見が飛び出しました。たしかに、テレビやネットなどのメディアによるニュースでもマイナスの情報ばかりが報道されているように感じます。
その後、なぜ「禁止」ではなく「自粛」なのか?
自粛という道徳的な義務に対する道徳的な根拠とは何なのか?
などの議論を交わしました。
最後に、「逆にコロナ自粛期間をどのようなマインドで臨めば前向きな生活が送れるようになるのでしょうか。」という内容で話し合いました。
- 新しいことに挑戦する時間が与えられている
- 今まで気づかなかった日常のありがたさを感じる
- コロナ自粛後のための準備期間
つまり、今まで変化していないと思っていても、振り返ると確実に変化を遂げてきていたのです。
現在、私たちがストレスを感じているのは、今までにないぐらい生活様式が急速に変化しているからなのです。しかし、変化が起こるのは我々が生きていくうえでは当然のことです。つまりこの「自粛」というのは我々が急速的に成長していくプロセスの一部と位置付けることができます。
このような流れで、「自粛」の定義の再構築が行われました。
ここで参加者の方に「自粛」に対するイメージに変化が起きたという人に手を挙げてもらったのですが、過半数の人が「自粛」に対してポジティブなイメージを持てるようになったと言っていました。
参加者の声
そしてイベント終了後、参加者の方からたくさんの感想をいただきました。そのうちの感想の一部を紹介したいと思います。
一言で言うなら、視野が広がりました。
物事の本質的なところまで考えるのが哲学なのか!と初めて知りました。そもそも、自粛とはなんなのかというところを考えることで社会で巻き起こっている問題の根源を考えることにつながった気がします。また、そのプロセスもとても楽しかったです。 (高3)
このコロナ自粛中は、本当に自分について考える時間が増えて、今回の哲学カフェも自分自身を試してみたい、「違和感」を無くしていきたいという気持ちで参加しました。初めての参加でしたが、ただ「自粛」という言葉を考えるだけでも自分の中で大きくイメージが変わって、捉え方も変わりました。普段自分が聞き流している言葉の本質に近づけたように思いました
また、こうしてコロナ自粛について哲学している環境においても、どこか別の自分が同時並行で、自分自身を哲学している(されている?)。その感覚を自覚しました。(高2)
個人的に、イベントの充実度は5段階評価ではなく、どれだけ思いのこもったコメントをもらえるかじゃないかと思っています。皆さんとても有意義な時間を過ごすことができたと言ってくださり、開催して良かったなと心から感じています。
嬉しすぎて泣きそうです。
これからについて
ここまで読んでくださりありがとうございました。
哲学カフェのイメージが何となく湧いてきたでしょうか?
次回は参加してみようかとお考えでしょうか?
気になる次回ですが、残念ながら今のところ未定です。
しかし、絶対にまた開催します!
その際はぜひ皆さんにもお越しいただけるよう、さらに気合を入れて準備を進めてまいります!
最後になりますがこのレポートを読んでいただきありがとうございました。
これからもQuliiをよろしくお願いします。
Qulii 谷増大悟
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