〜私という存在を社会に投げ出してみる〜新しい学び方「PBL」について解説していきます。

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PAPER編集部
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PBLは、プロジェクト型学習(Project Based Learning)と課題解決型学習(Problem based learning)の2つの教育手法を表す略語です。プロジェクトを中心に置くか、課題解決をベースにするかの違いはありますが、学習プロセスは同じです。

学習者は、自身の生活や実社会で起きている問題を題材に問いを見つけます。グループで協力して学習を進める中で、実践的な知識やスキルを身につけながら、プロジェクトを完成させます。

PBLは、複雑な実社会に対応できる適応力、創造力、問題解決力を備えた人材を育成するための教育手法として、世界的にも注目されています。

さとのば大学と「PBL」

実践を大切にする「さとのば大学」では、ほぼ100%(!)プロジェクト中心のカリキュラムづくりを行っています。とはいえ、そもそも「プロジェクト」とは何を意味する言葉なのでしょうか?

辞書などには、「プロジェクトとは、何らかの目標を達成するための計画」とあります。多くの場合、戦略に基づいたゴールがあらかじめ決められていて、納期のような大まかなスケジュールがあり、すでにあるリソース(資源)をいかして、目標の達成に向けて役割分担をしながらチームで動いてゆきます。

一方、さとのば大学では、『スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版』共同発起人であり、さとのば大学名誉学長を務める井上英之さんが提唱してきた「マイプロジェクト」という考え方を大切にしています。

プロジェクトの一般的な定義との違いは、ゴールとなる“ほしい未来”も自ら探し、リソースも自ら発掘し、一歩目を踏み出すタイミングも自分次第という、誰からに頼まれたからではなく、自分の思いや願いを起点としてプロジェクトを立ち上げていくこと。とはいえ”マイ”といっても、自分ひとりで完結するのではなく、まわりの仲間に思いを語って輪を広げていきながら、「そもそも自分は何を求めていたのか」「そもそも他者は何を求めていたのか」という深めの振り返りを繰り返し、次のアクションへとつなげてゆきます。

世の中にある仕事の多くは、困っている誰かにお願いされることから始まりますし、お客さまがはっきりしている方が「ありがとう」と感謝される機会も多いでしょう。それと比べたら、マイプロジェクトは独りよがりで、面倒くさそうで、「何の意味があるのかな?」と感じた人もいるかもしれません。でも、その誰にも、何も、あらかじめ決められていないまっさらな状態に飛び込むことに、大切な学びが、立ち現れる何かがあると私たちは信じています。

それは自分らしい表現方法を探究する自由な創造空間であり、「ほしい未来は、自分たちでつくれる」という市民としての確かな実感を得るきっかけであり、同時に、ゼロイチの難しさを突きつけられることで、世の中の当たり前のように目の前にあることの物凄さ、ひとりひとりの仕事の積み重ねの奇跡に気づけたり、“わたし”に根ざしながら、”わたしたち”としてチームに貢献する力を身につける機会でもあるのです。

ちなみに、プロジェクトと似たような言葉に「プロジェクター」がありますが、そもそも「project」の語源は、「前へ、先の未来へ何かを投げること」。マイプロジェクトという企てを通じて、私という存在を社会に投げ出してみる、一石を社会に投じてみる。そこから生まれる波紋は、誰にも予期できないからこそ面白いはず。そんな想像以上のなにかが起こる学びの場を、体験してみませんか?


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